第3回優秀賞 入選(春〜秋) 入選(秋〜冬) 総評    
第3回 四季の那須フォトコンテスト

主催:那須町・那須町商工会

第3回四季の那須フォトコンテストに県内外からたんさんのご応募ありがとうございました。
応募点数301点、応募者数133名の中から入賞された作品をここに発表いたします。



※写真をクリックすると大きい画像が御覧いただけます(別窓が開きます)。




 

青空へ
 厳しい環境の中、大空いっぱいに枝を広げ、赤い実を付けたナナカマドに魅せられて、白煙を上げる茶臼岳・青い空を背景に雲が出ないうちに急いでアングルを考えながらシャッターを切りました。(荻原)


那須の代表的な風景・姥ヶ平を、斬新な視点から捉えた点が秀逸でした。紅葉を従え、噴気を上げる茶臼岳を脇役にしながら、真っ赤な実をつけたナナカマドを主役に配した大胆な画面構成がじつにユニークです。雲ひとつない青空に映えるナナカマドの実と枝々のシルエットが、生命力に満ちたエネルギーまでをも感じさせてくれます。そして、脇役の茶臼岳に対しても、風になびく噴気のタイミングまで計算に入れてシャッターを切っています。見慣れた光景を一変させた手腕に拍手を贈ります。(選評:北中)
「青空へ」 
荻原隆二(高根沢町)
撮影場所:姥ヶ平








残 雪
 今日、5月8日は那須岳開山祭の日でした。朝から晴れていて多くの登山者やハイカーで賑わっていました。
  安全祈願も終了し、下山の途中、峰の茶屋と朝日岳の間に雪渓を見つけました。良く見ると登山者が一方通行で慎重に雪渓を渡っていました。待っている方も心配そうに見ていました。
  大変だったけど、きっといい思い出になったと思います。雪渓の中央付近に登山者が来たときを狙って撮りました。(高根沢)


華やかな風景ばかりに目を向けず、春山と登山者の関わりをストレートにとらえた点が、逆に新鮮でした。離れたところから俯瞰気味に撮影したため、残雪の斜面をトラバースする登山者がアリのように小さくなり、一層剣ヶ峰一帯の雄大さが表現できました。2ヶ所の残雪を、それぞれ別々のグループが逆方向に歩いている絶妙のタイミングも見事です。遠目に見ているから分かりませんが、実際ここをトラバースするのは、経験と度胸がなければ無理なほど、極めて危険なのです。(選評:北中)
「残 雪」
高根沢慎一(那須塩原市)
撮影場所:峰の茶屋付近



 茶臼岳を背景にした東石楠花にやっと出会うことが出来たが、なかなか天候に恵まれず、撮影をあきらめかけていましたが、ようやく晴天に恵まれ感動しながら撮った一枚です。(高久)


登山ルートにはない鬼面山斜面へ至るだけでも大変なのに、そこに咲き誇るアズマシャクナゲを茶臼岳バックで見事な風景に仕上げました。広角レンズでアズマシャクナゲに迫り、大輪の花を大きく捉えながら、その背景に荒涼とした茶臼岳を配したことで、遠近感まで画面に盛り込めました。山肌に残る残雪も季節感を強調するには格好の脇役となりました。ただ、これだけの被写体なら、発色が鮮やか過ぎるフィルムに頼らず、現実を素直に描写したかったですね。(選評:北中)

咲き誇る
「咲き誇る」
高久 忠(那須塩原市)
撮影場所:鬼面山斜面



夏の序曲  那須茶臼岳方面へ新緑を求めハイキングを兼ね撮影へ。
 前日は雨。行く途中霧が掛り雲海を期待したのですが、山は晴れて少しがっかり。それでもハイキングには最高の日和。歩き疲れた頃(姥ヶ平を過ぎたあたり)音楽でも流れているような雲、うれしくなりペンタックスMZ3で撮影しました。(小川)


この作品の良さは、初夏の香しい草原と爽やかな空を一枚の画面にとらえただけではなく、那須町エリアの盲点を突いた点も見逃せません。地形図で調べた結果、沼原湿原の東側に隣接する広大な草原(調整池建設時の残土捨て場)は那須町エリアに入るのです。そのことを、この作品から改めて教えられました。緑濃い草原に咲き始めたレンゲツツジの赤や、青空にたなびく清々しい絹雲の白など、那須町ならではの風景が、新たに1ページ加わった感じです。(選評:北中)

「夏の序曲」
小川かよ子(上三川町)
撮影場所:沼原東部(町内エリア)



 那須の秋を彩る紅葉の名所と言えば、何と言っても一押しは姥ヶ台でしょう。
 「今年の紅葉はどうだろう。いい紅葉を見せてくれるかな」などと、10月10日前後の晴日をねらい、今年は10月12日が快晴の予報であったのでこの日を選び早朝出発。大にぎわいの姥ヶ台、素晴らしい紅葉をワクワクドキドキしながら、数枚撮影した中の一枚です。(大森)


昨年の姥ヶ平はことのほか、紅葉が美しかったですね。那須では馴染みの風景ですが、その美しさのピークを見事に捉え、しっかりとした画面構成によって、茶臼岳と姥ヶ平の秋ならではの魅力をひとつの画面にぎゅっと凝縮できました。青空に吐き出されていく噴気の形状や動感もうまく描写できた上、画面左の立ち枯れが、かつて茶臼岳が大噴火したときの名残りまでも感じさせてくれます。被写体の魅力だけに甘えず、ねらいを吟味して撮っている点を評価いたしました。(選評:北中)

秋盛る姥ヶ台
「秋盛る姥ヶ台」
大森瑞夫(茨城県大子町)
撮影場所:姥ヶ台より



夕空に響く  無間地獄の夕景は、何度となく撮影していますが、この日は期待通りの夕焼けとはなりませんでした。
 しかし、思いもかけず茶臼岳の背後から半月が昇ってきたため、広角レンズで噴煙と月を組み合わせ、大地の躍動と宇宙のスケール感を表現しました。(檜山)


躍動感あふれる作品で、噴気の表情からは大地の鼓動が聞こえてきそうです。晴れ間の少ない厳冬期の茶臼岳を、しかも夕刻という時間帯をねらって撮影したことで、夕空に浮かぶ月まで捉えています。この小さな月が、地球そのものの存在感を強調してくれますし、画面に宇宙的規模の遠近感まで盛り込むことができました。困難なコンディションの中で茶臼岳の壮大な表情を捉えていますが、印象として、第1回の最優秀作品賞に輝いた星空の作品にイメージが近似してしまった点が、惜しまれます。(選評:北中)
「夕空に響く」
檜山 龍(宇都宮市)
撮影場所:茶臼岳