第11回グランプリ 特選 入選 総 評   


第11回四季の那須フォトコンテスト入賞作品発表

 第11回四季の那須フォトコンテストに県内外から、たくさんのご応募ありがとうございました。 応募点数544点、応募者数182名の中から入賞された作品をここに発表いたします。

主 催 : 四季の那須フォトコンテスト実行委員会(那須町商工会、(一社)那須町観光協会) 
後 援 : 那須町、那須町文化協会、那須フィルムコミッション、那須レジャー施設協会、
      NHK宇都宮放送局、(株)とちぎテレビ、(株)エフエム栃木、(株)下野新聞社
協 賛 : サッポロビール(株)那須工場、Mt.ジーンズ那須、(株)南ヶ丘牧場、(株)黒羽ニコン、
      東洋リビング(株)、富士フイルムイメージングシステムズ (株)、
      (株)フジカラープロフォトセンター、那須中央観光バス(株)


※写真をクリックすると大きい画像が御覧いただけます(別窓が開きます)。





神様の居場所

 山頂での朝日が撮りたいと願い出掛けました。幸運だったと思います。見事に染まった山頂は本当に神々しく、特に朝日に照らされる岩々は神秘的で、その時の感触が忘れられず大仰なタイトルを付けてしまいました。
(大平)


 思わず手を合わせたくなるような「有難さ」に溢れる作品です。タイトル通りに神様の存在を感じます。那須山の山頂でこの日の出を撮るには、峠の茶屋駐車場を5時前に出て、真っ暗な中を延々と登って行かなければならないと聞きました。季節は10月とありましたが、もう十分に寒かっただろうと思います。誰もができることではありません。写真は、普通では見られない景色や出来事を多くの人に伝えることができます。それだけでも価値がありますが、この作品のように記録としてだけでなく、アートとして見る者に感動を与えられたらさらに素晴らしいことです。今後もなかなか見られない世界を、多くの方に魅せていただきたいと思います。
(選評:阿部秀之)

「神様の居場所」 
大平敬一(那須町)
撮影場所:茶臼岳山頂





日差しを浴びた笑顔   
 早春の道端で、朝日を浴びて生き生きした笑顔に出会いました。思わず写真に収めました。
(常盤)

 4月。まだ雪が残る那須連峰を背景に、那須町では水仙が咲き誇るそうです。長い冬を終えて、春の温かい日差しを浴びた水仙たちは、ニコニコと笑っているように見えます。タイトルと写真のマッチングの良さに作者の感性が感じられます。花にはグッと近寄って表情を出しつつ、背景は那須連峰と青空で雄大さを感じさせる。テクニックなどではなく、感じたままをシンプルに表現したところが、この作品の魅力です。
(選評:阿部秀之)

「日差しを浴びた笑顔」
常盤 登(那須塩原市)
撮影場所:大谷




 彼岸花を主役にと被写体探しをしていた時、黄金色の稲穂の海で作業するお百姓さんの姿が目に留まりました。これぞ日本人の原風景「今撮らずしていつ撮るの、今でしょ」と自問自答していました。
(吉村)

 蓑沢の彼岸花は有名で、今回も何点も応募がありました。しかし、この作品では彼岸花は主役ではなく、稲刈りが終わった田の前景になっています。彼岸花の向こうに見える田は、光の反射で海で波が渦巻いているように見えます。これがとても美しいです。そして画面左側から歩いてくるお母さんの姿。小さく写ったお母さんが、全体のスケール感を伝えます。この先品の見どころは、それぞれの対比の面白さだといえます。
(選評:阿部秀之)
里の秋
「里の秋」
吉村勝昭(那須塩原市)
撮影場所:蓑沢




幸せを伝える若い九尾狐  那須の観光シーズン幕開け、御神火祭九尾狐に扮したお二人、篝火のあかり、携帯電話の光り、家族にでも知らせているのだろうか。
(富永)

 九尾の狐と殺生石の物語は、あまりにも有名で全国的にも知らな人はいないでしょう。芭蕉の歌にも登場するほどです。しかし、時代の流れによって、変化するのですね。祭りの出番待ちでしょうか、2匹の若い狐が寄り添っています。密談をしているようにも見えます。手にしている明かりを放つものは、呪文が書かれたお札かと思いきや、スマホです。スマホの液晶はかなり明るいので、十分に照明として効果があります。九尾の狐は闇夜に金色に輝いたといいます。偶然の出来事ですが、その面白さに素早く気がついたことで作品となりました。
(選評:阿部秀之)
「幸せを伝える若い九尾狐」
富永 明(宇都宮市)
撮影場所:殺生石




 姥ヶ平の紅葉を見て峰の茶屋から下りました。相棒の犬は名残を惜しみ主人は帰ろうとしています。リードは無くても強い絆で結ばれていました。
(望月)

 紅葉の茶臼岳。岩肌が見える茶臼岳の紅葉は、綺麗なだけの景色とはひと味違い、迫力があります。散策している年配のご夫婦の姿は、仲睦まじさが伝わります。ですが、それでなく、ご主人は振り返って犬に声をかけているようです。「おい、もう行くよ」そんな声が聞こえてきます。風景に人や動物を入れて撮ることは珍しくありません。しかし、結果的には邪魔に感じらることが多いのです。この作品では、夫婦と犬の間。全体の構成の中での位置。これらのバランスがとても良く、情感の伝わる作品になりました。
(選評:阿部秀之)
帰ろう相棒
「帰ろう相棒」
望月森雄(茨城県常陸大宮市)
撮影場所:茶臼岳




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