第1回優秀賞
入選(春〜秋)
入選(秋〜冬)
総評
主催:那須町商工会
第1回四季の那須フォトコンテストにたくさんのご応募ありがとうございました。県内外から寄せられた応募作品総数509点、応募者数192名の中から、入賞された作品をここに発表させていただきます。
※写真をクリックすると大きい画像が御覧いただけます(別窓が開きます)。
日没30分前に登山開始。下山の人々に「今からですか」と訊かれるのも今では快感です。峰の茶屋付近で日没を迎え、牛が首に着く頃には日もとっぷりと暮れています。茶臼岳の本当の美しさは月夜にこそ見られると私は思います。薄暮が終わる頃、月齢11の月光に照らされた茶臼岳は、神々しさを纏って闇に浮かび上がってきます。(津吹)
数多く寄せられた作品の中で、那須ならではの魅力を表現するという視点の独創性がもっとも秀でていました。紅葉の作品などと比べると色彩的には地味ですが、噴煙を上げる夜の茶臼岳を星空バックでとらえただけではなく、風になびく噴煙の動きや荒涼とした茶臼岳の山肌まで、月明かりの下でよくぞ描写しました。そして、流れる星の軌跡が地球の自転まで感じさせてくれるロマンチックさも見逃せません。(選評:北中)
「蒼月の茶臼岳」
津吹信一(鹿沼市)
撮影場所:茶臼岳
昨年の4月中旬頃、春風に誘われて那須町在住の写友御夫妻と、那須町周辺の桜を訪ねて撮影に出かけました。何処も桜が見頃で楽しく撮り歩くうちに、遊行柳の里にたどり着き、やや西に傾いた陽光の中で輝く満開の桜と、新緑のしだれ柳の枝が風に吹かれて優雅になびく姿に見せられて撮影した一枚です。(駒形)
那須といえば山岳部に注目が集まりますが、里の作品も数多く寄せられました。それらの中では、芭蕉ゆかりの遊行柳と桜をとらえたこの作品が秀逸でした。那須に住む人なら、だれもが眼にしているはずの風景ですが、その当たり前のような場所を題材にしながら、背後の柳が風になびく瞬間に桜をとらえたことで、左から右へと吹き抜けていく春風の存在感まで表現できた点がじつに素晴らしいです。(選評:北中)
「遊行柳の春」
駒形隆志(佐野市)
撮影場所:芦野
つつじの開花情報は事前に調べていましたが、実際に出掛けられたのはピークを少し過ぎた頃でしたので、遊歩道を歩いて開花の遅れている木を探しまわりました。
朝日のあたり具合、前景と背景の露出差、背景の那須岳の配置に注意して何ショットも撮影しました。(高橋)
那須の山々の中では、中腹に位置するツツジで有名な八幡も撮影ポイントのひとつです。大抵はツツジを画面いっぱいに入れたくなるところですが、その咲き誇るツツジを新緑と組み合わせながら、左後方に茶臼岳を控え目に配した画面構成が新鮮でした。新緑のモミジの枝々に朝日が当たり、その陰影によって立体感まで伝わってきます。奇をてらい過ぎるのではなく、素直にまとめた点が功を奏しました。(選評:北中)
「つつじ咲く」
高橋友次(宇都宮市)
撮影場所:八幡
峰の茶屋近辺は私の好きな撮影ポイントです。四季折々の変化に富んだ表情を楽しく見せてくれます。「今日はどんな情景が待ってくれているだろうか」と期待感にワクワクしながら車を走らせます。この日も朝3時出発。缶コーヒーを飲み乍ら待っていると体が震える程の感動の情景を見せてくれました。夢中でシャッターを切った1枚が此の作品です。文字通り歓喜と希望に満ちた夜明けのドラマでした。(熊谷)
那須は夏から秋にかけて雲海が発生することがあります。今回、雲海を題材にした作品は少なかったものの、この作品は雲海とその上空に広がる朝焼けのダイナミックさや朝日の輝きをものの見事にとらえています。その色彩といい、形といい、ほれぼれするような日の出の瞬間です。遠くにたなびく黄金色の雲や燃えるような真っ赤な雲、それにぽっかりと浮かんだちぎれ雲など、変化に富みながらうまい画面構成です。(選評:北中)
「希望」
熊谷道雄(那須塩原市)
撮影場所:沼原東部(峰の茶屋)
15時頃より沼原方面より靄がでてきました。一般観光客はロープウェイの最終に間に合うべく帰路について行きます。やがてあたりは誰もいなくなり、靄は三倉山中腹まで覆い幻想的な風景となりました。(荒崎)
紅葉をとらえた作品がもっとも多かった中で、この作品が頭ひとつ抜きんでていました。紅葉が美しい那須の中でも、この姥ヶ平の紅葉は一級品です。その広範囲に広がる紅葉をゴヨウマツの立ち枯れと組み合わせただけではなく、会津の山々につながる谷に雲海が発生していることで、この風景の魅力が倍増しました。紅葉の盛りに雲海が発生するという絶妙なタイミングをものの見事にとらえた作品です。(選評:北中)
「燃える谷」
荒崎節夫(那須塩原市)
撮影場所:牛ヶ首
冬の那須連山は、ほとんどの日が強い風雪に晒され、たとえ那須山麓で快晴であっても、那須連山は猛吹雪というのが当たり前です。ですから快晴の空の下で那須岳の写真を撮れるということ自体まれなことで、今年の冬は8度目の挑戦でようやくこのチャンスにめぐり合う事ができました。この写真のねらいは、夕方の低い光線により岩氷と山に立体感を出すこと、ただしあまり太陽が低くなりすぎると赤みを帯びてしまい、冬の厳しさを表現できなくなるため、微妙な時間帯を選んでいます。(檜山)
那須の主峰・茶臼岳の冬の魅力をとらえた作品も数多く寄せられましたが、岩々に生じる「エビノシッポ」と呼ばれる岩氷を立体感豊かに力強く描写し、後方に茶臼岳を配して遠近感まで盛り込んだ表現が秀逸でした。しかも、広角レンズで岩氷に思いっきり迫り、風に飛んでいく噴煙と組み合わせたことで、この岩氷が風上へと成長していくことを暗示させることまでできました。臨場感みなぎる作品です。(選評:北中)
「岩氷夕照」
檜山 龍(宇都宮市)
撮影場所:茶臼岳