第2回優秀賞 入選(春〜秋) 入選(秋〜冬) 総評    

主催:那須町・那須町商工会

第2回四季の那須フォトコンテストに県内外からたんさんのご応募ありがとうございました。
応募点数240点、応募者数94名の中から入賞された作品をここに発表いたします。



※写真をクリックすると大きい画像が御覧いただけます(別窓が開きます)。




 

春景観
 那須町奥州街道(国道294号)沿いの歴史ある芦野城跡(御殿山公園)に、里の風景を求めて、何度となく足を運び、平成16年4月18日 AM9時頃、撮影には絶好の気象条件に恵まれて、満開の桜の花の中に残雪を頂く那須連山の雄姿をイメージ通りに表現する事が出来ました。(福田)


那須の大自然よりも人里の自然に、那須ならではの風景的魅力を見いだした視点が功を奏しました。芦野の桜を題材にしながら、眼下に見える田畑や遠方にそびえる那須の山並みを、桜と見事に組み合わせ、実に雄大な風景に仕上げています。上空に広がる青空とともに、桜や田畑に当たる光が、那須の春らしい温もりを感じさせてくれます。桜の繊細な描写も見逃せません。(選評:北中)
「春 景」 
福田廣志(那須塩原市)
撮影場所:芦野








 前夜からの雨が上がり、水道に水たまりが少し残っていた。少し日が差して若葉とツツジの色の対比が鮮やかになり、晴れていれば正面が茶臼岳の方向を感じながら低い雲を背景に撮影しました。(熊田)


ツツジが咲き誇る八幡でのひとコマですが、雨が降り止んだ直後に撮影したため、緑の葉やピンク色の花の色彩がじつに鮮やかです。そんなツツジの群落を、まだ雲に隠れている背後の山岳部とまとめたことで、天候の移り変わる様子まで伝わってきます。広角レンズでツツジに迫って撮影したため、臨場感も十分です。(選評:北中)
「雨上がり」
熊田幸雄(大田原市)
撮影場所:八幡



 南月山付近で、ふと枯木を見つけ、近寄ってみるとそばにウラジロタデが咲いており、枯木と岩礫地に生きている植物の生命力と奥に見える茶臼岳の大地の生命を一枚にと思ってシャッターを切りました。(平山)


荒れ地に生育するウラジロタデが、花を咲かせています。すぐ脇には、はるか昔に朽ちたであろう倒木の一部が、ウラジロタデと好対照をなし、生命の存在感をいっそう感じ取ることができます。噴気を上げる茶臼岳とともに、那須らしい大自然の息づかいが聞こえてきそうです。荒れ地に根を下ろす植物があるからこそ、那須の山々も緑を深めていけるのです。(選評:北中)

「生  命」
平山靖夫(那須塩原市)
撮影場所:南月山



 撮影当日は、朝から雲一つない快晴で、アクセントに雲を入れて撮りたいと思い、雲を待つ事2時間、思いがけない雲の出現に夢中でシャッターを押しました。(水沢)


那須を代表する茶臼岳の風景ですが、すぐ上空に形のおもしろい雲が浮かんでいます。竜が舞っているようにも見えるこの雲があることで、茶臼岳をいっそうダイナミックな雰囲気に表現できました。中腹に従えた紅葉も色鮮やかに描写され、青空の色彩とともに、那須ならではの秋の雄大なスケール感が凝縮された作品です。(選評:北中)

「秋 彩」
水沢成利(宇都宮市)
撮影場所:茶臼岳



 四季折々に、数え切れないほど登っている大好きな山です。
 しかし冬の茶臼岳は、そう簡単には姿をみせてはくれません。
 又、峰の茶屋付近の強風をいかに堪えるか、体のブレ、カメラのブレには大変神経を使いました。この日は運良く、早朝は吹雪であったが、次第にやみ快晴と成り、数枚写した中の一枚です。(大森)


冬晴れの峰の茶屋付近で撮影された作品です。那須特有の強風を伴った冬の厳しさが、雪庇の表情から力強く伝わってきます。太陽を画面に入れたことで、冬晴れの躍動感まで盛り込むことができました。雪面の質感もじつにリアルに描写でき、後方で噴気を上げる茶臼岳と対比させた画面構成も見逃せません。厳冬期にここまで行ける者だけが体験できる世界です。(選評:北中)

「雪庇と太陽」
大森瑞夫(茨城県大子町)
撮影場所:茶臼岳峰ノ茶屋付近



 平成16年2月16日に那須湯本殺生石で撮影しました。那須に住む水彩画家の堀江画伯に案内されて現地に行きました。この雪に埋もれた地蔵群を目にしたときの新鮮な感動は今でも脳裏に強烈に残っています。冬の那須の写真というと、岩と雪と氷の世界が主役ですが、普通に観光を楽しむ人達にとってそれらは別世界の風景であり馴染みにくい写真です。那須の平地にもこんなに素晴らしい光景が眼前に広がっているのですよということをこの写真を通じてアピールできれば言うことはありません。(西山)


冬の殺生石ならではのひとコマです。合掌しているお地蔵様に、赤い毛糸の帽子と襟巻きが施され、何体もが雪の中に埋もれています。その様子はまるで修行僧のようです。よく見ると、頭まで雪に埋没しているお地蔵様があったり、毛糸の帽子が風の影響で取れかかっていたりします。冬の自然環境の厳しさまでストレートに伝わってくる作品です。 (選評:北中)
「雪原のお地蔵様」
西山寿男(神奈川県相模原市)
撮影場所:殺生石