第19回四季の那須フォトコンテスト~那須をふれあう~ 応募点数 596点、応募者数 184名 |
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主催 |
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後援 | 那須町、那須町文化協会、那須フィルムコミッション、 NHK宇都宮放送局、㈱とちぎテレビ、㈱エフエム栃木、㈱下野新聞社 |
協賛 | ㈱栃木ニコン、東洋リビング㈱、㈱フレームマン、サトーカメラ㈱、那須地区ホテル&レジャー施設連絡協議会、那須テディベア・ミュージアム、那須ワールドモンキーパーク、ホテルエピナール那須、 那須高原りんどう湖ファミリー牧場、那須高原 南ヶ丘牧場、那須どうぶつ王国、マウントジーンズ那須、那須サファリパーク、那須とりっくあーとぴあ、那須ハイランドパーク、お菓子の城 那須ハートランド、サッポロビール㈱那須工場、那須中央観光バス㈱、休暇村 那須、TOWAピュアコテージ、ホテルサンバレー那須、リゾートホテル ラフォーレ那須、ロイヤルホテル那須、那須ロープウェイ、 那須ガーデンアウトレット、ホテル四季の館那須、ホテル森の風那須、ホテルフロラシオン那須 |
総評
【審査総評】コロナ禍の影響で、今もなお人間の生活は不安定なままですが、自然は変わらず、美しい四季で私たちを魅了します。殊に那須は、素晴らしい山々や森に囲まれ、清らかな水と野生動物たちの営みが感じられる場所です。今回の「四季の那須フォトコンテスト」の審査にあたり、その美しさを再認識した次第です。
応募作品は、幻想的な風景作品、思わず微笑んでしまう作品、造形美を表現した作品、お祭りの熱量を感じる作品など、どれも甲乙つけがたく、受賞作品選出には悩みました。「もっとカメラアングルが低くしたら奥行きがでたのになあ」とか、「もっと光と影の濃淡をうまく表現していたらなあ」など、惜しい作品も沢山ありました。また、夏の写真が少なかったことも意外でした。確かに夏は、緑一色の単調な画面構成になりがちですが、那須を愛する人なら、きっと「夏の那須」を表現できると信じ、次回に期待したいと思います。更に、風景だけにとらわれず、人々の生活の中にも四季が転がっていることも忘れずにいてほしいと思いました。田植えや稲刈り、干し柿作りや大根干し、桜を愛でる人々やお祭りにはしゃぐ子供など、里山の暮らしの中にもたくさんの被写体が転がっています。那須にお住いの方は見慣れた情景かもしれませんが、初めて那須を訪れた旅人の目で見ると、新しい発見があるかもしれません。
改めまして、受賞された方々、おめでとうございます。そして惜しくも選出されなかった方々、次回に期待しております。光は一瞬、色彩も一瞬、笑顔も一瞬、どんな時もカメラをもって、これからも美しい那須を撮り続けてください。
審査員 写真家 山口規子
【写真家 山口規子】
栃木県生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。文藝春秋写真部を経て独立。女性誌や旅行誌を中心に活動。透明感のある独特な画面構成に定評がある。「イスタンブールの男」で第2回東京国際写真ビエンナーレ入選、「路上の芸人たち」で第16回日本雑誌写真記者会賞受賞。近著に旅と写真の楽しみ方を綴った「トルタビ~旅して撮って恋をして♫~」や柳行李職人を撮り続けた写真集「柳行李」、フィルム時代にヨーロッパ数カ国を渡り撮影したモノクロ写真集「I was there.」は、東京、京都などで写真展を開催。料理本や暮らしに関する撮影書籍も多数。旅好き、ネコ好き、チョコレート好き。公益社団法人日本写真家協会 副会長
グランプリ
福田 実(栃木県日光市)
【画題】風雪のフレア(ふうせつのふれあ)【撮影場所】峠の茶屋~牛ヶ首
【撮影者】日本海側と太平洋側を分ける那須連峰は風の通り道だ。特に冬の季節風は想像を絶する。吹き溜まりに積もった雪は強風に削られ、訪れる度に違う表情を見せてくれる。この日は「ひだ」を纏った美しいフレアで迎えてくれた。
【選評】峠の茶屋から牛ヶ首で撮影されたこの作品は、ややもすると単調な雪原写真になってしまうところを、手前に、ぐーっと雪の壁を入れ込んだ作者のテクニックに脱帽です。この画面構成により、自然が作り出す造形美と共に、那須のダイナミックな自然さ表現されています。そして、雪面に作り出された光と影のラインは、見ている人を吸い込むような勢いがあり、グラデーションが美しいです。冷えた空気の中に、この造形を見つけた作者の喜びも垣間見え、共感できます。見事に、那須の壮大な冬を表現した素晴らしい作品です。