第20回四季の那須フォトコンテスト~那須をふれあう~ 応募点数 476点、応募者数 150名 |
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主催 |
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後援 | 那須町、那須町文化協会、那須フィルムコミッション、 NHK宇都宮放送局、㈱とちぎテレビ、㈱エフエム栃木、㈱下野新聞社 |
協賛 | ㈱栃木ニコン、東洋リビング㈱、㈱フレームマン、サトーカメラ㈱、那須地区ホテル&レジャー施設連絡協議会、那須テディベア・ミュージアム、那須ワールドモンキーパーク、ホテルエピナール那須、マウントジーンズ那須、 那須高原りんどう湖ファミリー牧場、那須高原 南ヶ丘牧場、那須どうぶつ王国、那須サファリパーク、那須とりっくあーとぴあ、那須ハイランドパーク、お菓子の城 那須ハートランド、サッポロビール㈱那須工場、休暇村 那須、那須中央観光バス㈱、TOWAピュアコテージ、ホテルサンバレー那須、リゾートホテル ラフォーレ那須、那須ロープウェイ、 那須ガーデンアウトレット、ホテル四季の館那須、ホテル森の風那須、ホテルフロラシオン那須 |
総評
【審査総評】審査にあたり、私の第一印象は、昨年よりプリントのレベルが上がっているなあと感じました。また、皆さんの「写真愛」を感じるとともに、コロナ禍という状況下で、何を残したいのか、何を伝えたいのか、何を表現したいのか、自分の中で大切なものがわかってきたような作品が多かったように感じます。ずらりと並んだ作品を、じーっと見ていくと、瞬間を捉えた作品や人の心の動きを表現した作品、そして美しい光と影や造形、空気を感じる作品など、どれも甲乙つけがたく審査に悩みました。しかし、技術的に残念だったのは、きちんとピントが合っていない作品があり、構図も光の捉え方も上手いのに、ピントが甘く、表現したいものが曖昧になっている作品でした。デジタルになって、「あとでトリミングすればいいや」とか「あとで露出調整すればいいや」という気持ちで撮っていると、写真を選ぶときに、選ぶことができません。撮影だけでなく、その後の「写真を選ぶ」という行為も含めて、「写真力」なのです。だから、撮影したその現場で完結するように一枚一枚丁寧に撮ることが大事です。今やAIが写真を作ると言われている時代、自分の写真を撮るということは自分しか撮れない写真を撮るということ。それはより難しく、より奥が深く、より楽しいことでもあります。そんな中、これからも自分なりに写真表現を楽しんでいただけたら幸いです。この度は、受賞された方々、おめでとうございます。そして惜しくも選出されなかった方々、次回に向けて今日からスタートしましょう。
審査員 写真家 山口規子
【写真家 山口規子】
栃木県生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。文藝春秋写真部を経て独立。女性誌や旅行誌を中心に活動。透明感のある独特な画面構成に定評がある。「イスタンブールの男」で第2回東京国際写真ビエンナーレ入選、「路上の芸人たち」で第16回日本雑誌写真記者会賞受賞。近著に旅と写真の楽しみ方を綴った「トルタビ~旅して撮って恋をして♫~」や柳行李職人を撮り続けた写真集「柳行李」、フィルム時代にヨーロッパ数カ国を渡り撮影したモノクロ写真集「I was there.」は、東京、京都などで写真展を開催。料理本や暮らしに関する撮影書籍も多数。旅好き、ネコ好き、チョコレート好き。公益社団法人日本写真家協会 副会長
グランプリ
人見厚子(栃木県那須塩原市)
【画題】幻想への入口(げんそうへのいりぐち)【撮影場所】矢ノ目ダム
【撮影者】呼ばれた気がして向かってみると、秋霧のかかった幻想的な景色が。風は穏やかでヒンヤリした空気の中、草木の窓の中から見えた世界。消えてしまう前に何度もシャッターをきった1枚です。
【選評】矢ノ目ダムを撮影した作品ですが、手前の草木を額縁のように捉えた構図が素敵です。また湖面に反射した対岸の木々が霧の中で浮かび上がる様子は、まさにタイトルにもあるように、幻想的かつ神秘的です。画面左上部に、1本の蔦が垂れ下がり、3つの葉がポイントとなって、画面全体にリズムを醸し出しています。緑を基調とした2色のカラートーンから、暗い写真と思われがちですが、この入口をくぐると、鮮やかなおとぎの国が待っているようなストーリー性のある素晴らしい作品です。
準グランプリ
髙久 忠(栃木県那須塩原市)
【画題】山の番人(やまのばんにん)【撮影場所】北湯付近
【撮影者】北温泉からマウントジーンズ方面登山中、こちらを凝視しているニホンカモシカと目がバッチリ合い、ビックリ!これは千載一遇のチャンス、急いで望遠レンズに交換、手持ち撮影したワンカットです。
【選評】ニホンカモシカを見事に捉えた作品です。出会った瞬間、目と目が合った瞬間、振り返った瞬間、すべての瞬間が融合しています。また通常では、カモシカだけをアップで捉えがちですが、この作品は周りの状況を入れ込むことによって、その場の静かな山の空気が表現されています。また作者の感動も一緒に伝わってくる点に共感が持てます。愛くるしいカモシカの表情から作者を受け入れているようにも見え、作者との一瞬の関係性が表現されている素敵な作品です。